Anekdoten / Vemod 感想

いつごろ購入したのか忘れてしまいましたが(おそらく15年くらい前でしょうか)、今でもたまに聴くAnekdotenのアルバムの感想を書きたいと思います。

1. Karelia
2. Old Man and the Sea
3. Where Solitude Remains
4. Thoughts in Absence
5. The Flow
6. Longing
7. Wheel
8. Sad Rain [Bonus Track]

全体的に暗い雰囲気と怪しげなメロディが多い内容です。けれど怖くて悲しいかといわれると、そうは感じません。これはなぜかなと考えてみると、おそらく

①ボーカルの声がそうさせていないこと

②曲の中で繰り返しになる部分に物語がある

の2つではないかなと思います。①についてですが、このボーカルはそんなに際立った特徴(男性らしい低音が心地よいとか)はないと感じます。しかしこれらの曲にはとても合っており、バンド全体としての調和がとれているのではないでしょうか。また、②については曲のなかで同じ(似たような)フレーズを使う場面がありますが、その部分を繰り返すときに若干変更しているところがあります。その効果により、最初の印象とは違う表現ができているのではないかと感じられます(時間が進んだ、気持ちが変わった等)。

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2曲目の歌詞ですが

The storm has raged here for hours, the water's plunging in on me
The remains of my creation is swallowed slowly down by the troubled sea
Into unconsecrated ground
Gone eternally, gone eternally

Feeder of my visions, carrier of my soul
The last hope for the dreamers, now crashing to the shore, pinioned and torn
In presumption and with my foolish pride
I challenged the storm,
I challenged the storm

I'm the sole survivor, the only one left alive
Now my limbs seem to fail me and time has blurred my mind
I'm doomed to this fate
The deal has already been signed and the hour's getting late
The hour's getting late, much too late

 

日本語訳をしてみますと

嵐は何時間もここで荒れ狂い、海水は私を襲う。
私の創造物の残骸は、荒れ狂う海にゆっくりと飲み込まれていく
聖域なき地へと
永遠に消えていく、永遠に消えていく

私の幻影の糧、私の魂の運び手
夢見る者たちの最後の希望は、今、岸辺に墜落し、棘で縛られ、引き裂かれている。
愚かなプライドを胸に
私は嵐に挑んだ、
嵐に挑んだ

たった一人の生き残り、たった一人残された私
今、私の手足は衰え、時間は私の心をぼやけさせた
私はこの運命に運命づけられている
契約はすでに結ばれている。
一刻の猶予もない。

となります。

歌詞を考察してみますと

嵐は何時間もここで荒れ狂い、海水は私を襲う。
私の創造物の残骸は、荒れ狂う海にゆっくりと飲み込まれていく

残骸物とあるので、おそらく船で海に出ていて嵐に襲われ、船が壊れ沈没したのだと思います。一人ではなく、何人かで漁をしていたか何かを運ぼうとしていたのか。それとも後半の歌詞の通り、嵐に向かうのが目的だったのか。

聖域なき地へと
永遠に消えていく、永遠に消えていく

ここは全然わからないです。強引に考えると、船が壊れて乗組員(仲間)が死んでしまった、遺体が引き上げられずお墓に入れることができない、聖域なき地(どこか分からない所)に消えて行ってしまうということでしょうか。それとも旅立った場所(もともといた所)に帰れないよ、ということかもしれません。

私の幻影の糧、私の魂の運び手
夢見る者たちの最後の希望は、今、岸辺に墜落し、棘で縛られ、引き裂かれている。

ここは乗組員(仲間)たちの希望が打ち砕かれたということだと思います。

愚かなプライドを胸に
私は嵐に挑んだ、
嵐に挑んだ

勝てないとわかっていても、再度挑戦するという決意の表れでしょうか。

たった一人の生き残り、たった一人残された私
今、私の手足は衰え、時間は私の心をぼやけさせた

一人残されてある程度時間がたったのでしょうか。自分だけ生き残ることができていたが、やはりそれではいけない、人生は有限であることに老いてから気づき、昔の目的を果たそうと思い立ったということかもしれません。

私はこの運命に運命づけられている
契約はすでに結ばれている。
一刻の猶予もない。

強い思いは貫き通すという意思表示、今まさに嵐に立ち向かう場面だと思います。

この歌のイントロはわりと激しいですが、歌いだしの部分ではメロディも落ち着いていますね。なんとも不思議な魅力を持った曲です。アルバムを通しても彼ららしさがでており、私はとても好きなアルバムです。

アルバムの感想を初めて書きましたが、自分の頭の中で感じていること、どのようにどこがいいのかを言葉で表すのは難しいですね。特に歌詞の考察もしてみましたが、歌詞を考えた人の意図をもっとくみ取れるようにしたいと思いました。ブログを読んでくれた方の考察のアドバイスや解釈を教えていただけると嬉しいです。